市場とスーパーマーケット

 

ランパーン市内で、もっとも早起きなのは市場で働く人々と僧侶たちだ。夜明け前の5時頃に、まだ早いだろうと思いながら出かけてみると、驚いたことに市場は早くも開かれていて、その人ごみの中を黄土色の衣をまとった僧らは汚れた路上を裸足で托鉢に回っていた。 

  シーモンムアン市場                        市内地図

   
行商人の後ろに建っているのはポリスボックス。

旧市街地の、サラカンカオ公園の前にあるシーモンムアン市場は、ランパーン市内でもっとも大きな市場だこの市場は建物の中に収まりきらず、その周辺の路地という路地にパラソルの花が咲き、半分以上は露天市場と化している。果ては表通りにまで行商人が出てきて、買物客が行き交い、そのあいだを裸足の僧たちが慌しく歩き回っている。 

   

シーモンムアン市場は、地元の人にはタラート・オンシン(オンシン市場)という通称で親しまれている。この市場の近くにオンシン銀行があるため、そう呼ばれているのです。

僕は市場が大好きで、90年代に長期滞在していたチェンライ市でも、住んでいたゲストハウス近くの市場(タラート)に毎日のように通っていた。その市場には山岳民族(チャオカオ)も買物に来ていて、色鮮やかな民族服を着用したリス族やラフ族の美しい娘を目にすると、胸をときめかせたものでした。

そのあと、タイ語を覚えて山岳民族の村を単独で訪ねるようになったのだが、そのきっかけは市場での彼らとの出会いでした。
 

   ラックムアン市場

   

シーモンムアン市場のすぐ隣に位置する市場。どこまでがシーモンムアン市場で、どこからがラックムアン市場なのか境界もはっきりしていない。でも、そんなことはタイ人に言わせれば、マイ・ペンライ(気にしない)ということになります。 

市場にはソンテオだけでなく、自転車サムローからバイクサムローと、いろんな車が集まります。買物客が利用するからであって、これらは完全に市民の足になっています。いつまでも、駅前などで客待ちをしている日本のタクシーとはえらい違いです。ちなみにサムローとは、三輪車という意味です。

   

この国の人々は三輪車に特別愛着を感じているのか、よく見ているとリヤカーも三輪車であった。野菜や肉を満載したソンテオやピックアップ・トラックが入ってくると、この三輪車は大活躍していた。方向転換するときには前輪を浮かせてぐるりと回転していました。 

 

両手に持てないぐらいお布施を受けたあとは、浮かれることもなく黙々と寺への道をたどっていました。数えるのも億劫になるぐらいの長い期間、このような生活が毎朝繰り返されてきたのでしょう。 

   ラチャダー市場

   

わが家から一番近い市場。ワン川のほとりにあります。この市場は、シーモンムアン市場やラックムアン市場のように周辺の路地まで占拠していなくて、きっちりと秩序良く建物の中に収まっています。他でもそうだが、市場は朝夕だけ開いていて、昼間は営業をストップしている。 

   

僕はこの市場の雰囲気が特に好きで、妻が市場に買物に出かける時には必ず一緒に行くようにしている。買い物客で雑踏する市場内には食材の野菜や肉や魚だけでなく、いろんな種類の惣菜類や果物やお菓子類も販売されている。

その他には、新聞や雑誌、安物の衣服やアクセサリー類、映画のVCD(タイではDVDよりも、VCDが主流)なども売られている。その他には
蘭の花も時々販売されている。市内に住むようになったばかりの5年前、この市場で胡蝶蘭をひと株買った。値段は100バーッ(350円)。いまでは大きく成長して、ランパーンのわが家の玄関口で淡いクリーム色の美しい花を咲かせている。
 

   

市場周辺の風景。朝のピーク時には、市場に来た人々のバイクや車で周囲の道路は大渋滞を引き起こしている。そのため、毎朝警官が交通整理に出ている。この写真を撮ったときは、かなり渋滞が緩和されていました。 

   

このタラート周辺でも、黄土色の衣は目につきます。上の写真の僧侶はバイクタクシーをチャーターしていて、座席がタンブン(寄進)された物でいっぱいになると、太った体を無理やり座席に押し込んで帰っていきました。 

   アッサウィン市場

 
アッサウィン市場の入口。
 
菜の花は炒めて温かい内に食べるのが
コツで、冷めると苦くなります。

町のシンボルである時計塔の東側、新市街にある市場。この市場では、ラチャダー市場に較べて野菜の値段が30%ほど安いということで、距離的に2倍近く離れているが、シッカリ者の妻もよくここまで遠出して来ている。 

 
川蟹?まだ生きていました。
 
夕食のトムヤムクン用のエビを選んでいます。
妻の作るトムヤムクンは、子供たちにとても人気がある。
   
 
ココナッツ椰子の実が12バーッ(42円)で売られている。
 
大根もキャベツも、日本のものに比べるとかなり小さい。

ムシ博士である林昌利先生が、昨年の2007年6月に出版された著書「タイの玉虫に魅せられて」の中で、ランパーンの市場でゲンゴロウの唐揚げを買い求め、食べた記述があった。だから、市場に立ち寄った時には極力注意して捜してみたが、ムシの唐揚げを見つけることはできなかった。

やっと捜しだしたのだが、その場所は市場ではなく、毎週土・日曜日の夜に旧市街地で開催されるナイトバザールの屋台でした。タイ人はこの唐揚げが大好きなようで、側でしばらくの間眺めていたのですが、飛ぶように売れていました。

 
ゲンゴロウの唐揚げ?
 
僕にはとても食べる勇気がない。

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2010年4月に家族のもとに帰ったときには、妻は事情があってランパーンにいなかったので、妻の妹のテェムが子供たちの世話をしてくれていた。僕がランパーンに到着すると、テェムは骨休めにワンヌアに帰ったので、必然的に子供たちの面倒は僕が見ることになった。その中で一番大変だったのが食事の用意。過去におでんやカレーライスを作って子供に振舞ったことがあるが、僕の作るものは子供たちにまったく人気がなかった。

だから無理に作ろうとしないで、カウニョウ(もち米)も惣菜もワン川のほとりにあるラチャダー市場で買うようにしていた。しかし、毎日惣菜を選ぶのは結構大変な作業であった。ラチャダー市場は食べ物なら何でも売っていた。しかし味がわからないので、購入して子供たちと共に食べてみて、この次も買うかどうするかを決めていた。美味しいだろうと思って買ってみて、はずれは結構あった。

わが家の近所の民家や商店の前で、夕方になると惣菜やカウニョウを販売しているのは以前から知っていた。だが、衛生面で問題があるように思え買うのを差し控えていた。ある日買ってみて非常においしく、それに安くもあるので、それからは毎日ここで数種類のおかずを買って食卓に出すようにした。子供たちにも、ここで買ったおかずはおいしいと大好評であった。

 
近所の道路沿いには、夕方になると惣菜を売る屋台が出る。
 
僕はいつもここで購入していた。


スーパー・マーケット

  ビックーC

   
2階の売り場。実に広々としている。

左上の写真は「ビックC」の駐車場。ビックCは、タイ国内で北から南まで全国展開している大型スーパー・マーケットだ。この店には、実に頻繁に買い物に出かけた。家庭で使用する日用品や台所用品や電気製品を買うために。僕が毎朝飲むコーヒーやめずらしい果物を買うために。そして、子供の衣服や玩具やCDやゲーム機を買うために利用したのである。

子供たちに向かって、「どこに行きたい?」と訊ねると、上の娘は一瞬悩んでいるが、今年7歳になる男の子は張りのある声で即座に答える。「ビックC!」と・・・・。
 

   

2階の売り場の片隅にある食堂。10店舗余り店を出している。クーポン券を購入したあと、好きな店で注文し、そのあとテーブル席について食事を楽しむのだ。タイの庶民料理がほとんどだが、最近はギョーザや日本風のやきそばを手頃な値段で食べさせる店もでき、日本食への懐かしさや珍しさから僕も何度かその店を利用したことがある。

どの店も見た目はきれいに作っているが、美味しくない(実際、その通り)と評判はあまり良くない。だが買い物客が利用するせいで、いつも空席を捜すのがむずかしいような混雑ぶり。うちの家族も美味しくないとわかっていながら、ビックCに買い物に行くと、たいていこの食堂をを利用している。何でだろうか?
 

   

1階には「ケンタッキー・フライドチキン」やタイスキで有名な「MKスキー」やピザ屋や美味しいと評判のケーキの店が入り、テナントが数10店舗入っている。おまけに、この巨大なスーパーマーケット内には映画館だってあるのだ。 

   

敷地内にある植木や花などの植物を販売する店。その他に、ペットショップや熱帯魚の店も数店舗軒を連ねている。

   ロータス

 
ロータスの入口。
 
訪れたときには、駐車場で陶器が販売されていた。

「ロータス」は、2003年にランパーンに進出してきた。パヤオ、チェンライに向かう国道沿いに建ち、空の玄関口のランパーン空港はすぐ近くだ。「ビック-C」はフランス系で、「ロータス」はイギリス系の大型スーパーマーケット。どちらも、タイ全土に店舗があるらしい。日系ではバンコクのスクムビット通りにフジ・スーパーがあり、日本食品などを取り扱っている。

   セブンイレブン

 
 
アッサウィン市場近くの「セブンイレブン」。この周辺は、
夜になると若者たちが集まるエリアだ。

日系コンビニのセブンイレブンは、昨年の2007年の1月頃には、ランパーン市内に5、6店舗しかなかったが、2008年1月には市内に20店舗以上に増えていた。まだまだ増える勢いだ。現在、タイ全土の「セブンイレブン」の数は4000店舗を超えているそうです。

店舗内部の広さも、置かれている物もだいたい良く似ているが、日本の「セブンイレブン」との大きな違いは、タイのセブンイレブンには専用の駐車場がないこと。そのため、店舗の前にはバイクや車が道路をふさぐようにして駐車し、渋滞の原因になっている。

その他の違いは、タイのセブンイレブンには弁当が置かれていないこと(いずれ、置くようになるのではないかと僕は考えている)。それと、ランパーンでは深夜の営業がないこと。それなら、「セブンイレブン」の店名の元となった、朝7時から夜11時までやっているのかと言えばそうでもなく、市場に写真を撮りに行くためバイクを走らせていると、早朝の5時頃にはすでに店を開いていました。
 

 
「セブンイレブン」で買った菓子パン2つ。
バイクの座席に並べて撮ってみた。
 
ガソリンスタンド内に店舗が多いのも、
タイの「セブンイレブン」の特徴。

最近、タイのパンが美味しくなった。パン生地が柔らかくなったのだ。これはセブンイレブンなどの功績だと思っている。「セブンイレブン」や「ファミリーマート」などの日系コンビニがタイに進出してから、タイのパンが飛躍的に美味しくなったのだ。

早朝、数日間市場に写真を撮りに通ったが、途中「セブンイレブン」に立ち寄り、いつも同じように菓子パンを2個購入していた。そして、市場に到着するとパンをかじりながらカメラを構えていた。上の写真の左側はアンパンで、右はピザパン。2個で23バーッ(80円)。アンパンのアンの味はもう一つだったが、ピザパンのほうの味はなかなかのものでした。


                                                2008年1月15日